中材業務【洗浄と滅菌】安全な再生処理と感染制御

歯科医療も含めて、診療に使用した医療器具を安全に再使用するための再生処理と感染制御についてわかりやすく解説しています。

第1種滅菌技師 認定の流れと認定資格の位置づけ

日本医療機器学会ホームページのトップ画像

2020年10月4日更新 

2019年度第17回第1種滅菌技師認定学科講習会の案内を探す方法 - 中材業務【洗浄と滅菌】安全な再生処理と感染制御

「第1種滅菌技師」とは、日本医療機器学会が認定する洗浄・滅菌の資格です。

第2種滅菌技師の認定を受けた者が対象となっています。

毎年横浜で、年末に学科講習会と試験が行われています。

200人前後の受講者が毎年挑戦していますが、合格ラインはおおむね70点前後だそうです。*2020年第95回日本医療機器学会大会:高階雅紀先生情報

学科講習会

  • 日時:12月上旬または11月下旬 金~土曜日の2日間 *最後に試験です
  • 会場:横浜市 パシフィコ横浜の場合が多いです
  • 定員:H30年(2018年)は120名
  • 受講対象者:第2種滅菌技士認定者のみ
  • 申込締切:定員に達した時点で締め切ります
  • 受講料:H31年(2019年)で30000円

※既受講者(不合格だった人)は、1回に限り受講せずに筆記試験だけを再受験できます(再受験料10000円)

参考までに、「2020年度のお知らせ」です。

8月頃に開催が決定するようですが、2018年は6月中に決定してホームページにお知らせが載りました。

9月末までに受講申込者が70名に達しなかった場合は、講習会が行われない場合もありますので、お申し込みはお早めに。

「会員ホームページ」にお知らせがありますので、チェックしてみてください。

 筆記試験の概要

 マークシート30問:60点(プール問題と新作問題の組み合わせ)

記述試験:40点(4つのテーマから1つを選択して記述)

 講習はものすごいスピードでどんどん進みます。そこで聞いて理解しようとしても無理ですので、事前に十分な自己学習が必要です。 

筆記試験合格後の流れ

 第1種滅菌技師の学科試験に合格すると、2日間の実技講習を修了してから認定申請を行います。

学科試験の合格発表は、翌年2月上旬に通知がきます。

薄っぺらい封筒は、不合格通知です。合格通知は詳しい案内が同封されているので結構分厚い封筒です。

(封筒の表には何も表記されませんが、外側からわかってしまいます)

実技講習の受講資格は2年間有効なので、職場と調整のうえ予定を立ててください。

実技講習会場は、年度によって異なります。私が受講した時は下記の2箇所でした。

  • 長野県:4月 サクラ精機(株)
  • 愛媛県:5月 三浦工業(株)

私は愛媛県松山市の三浦工業さんで受講しました。

減圧沸騰洗浄器に憧れているので三浦工業さんを希望しましたが、見学の機会はありませんでした。

滅菌器、WDの説明と、マイクロピペットでチャレンジデバイスの作り方等の実習、復習の講義でした。

希望者は、終了後に工場の敷地内を見学できます。

 学会から旅行会社の斡旋があります。

指定のビジネスホテルに送迎車が来るので、別の所に宿泊した場合でも時間までに集合すれば乗せてもらえます。

送迎車の利用の有無を伝えてください。

帰りは、松山空港と港まで送ってもらえました。

もっと詳しくは、こちらのブログをごらんください。

「第1種滅菌技師【学科試験合格後の流れ】」 *保護されていない通信です

http://heartsmilelove.blog.jp/archives/daiissyumekkinngisi-gakkasikenngoukaku

  実技講習が終了してから、認定料を振り込んで認定申請します。

新しい番号の認定カードが送られてきます。

 このカードは、更新の都度再発行はしないので、長く使うことになります。

 私の場合は、第1種滅菌技師の認定を受けた翌年が、第2種滅菌技士の更新でした。

その後も、4年毎の更新が継続されます。

滅菌技師の社会的評価 

 日本医療機器学会の認定資格ではありますが、日本における「医療機器再生処理」の専門家として厚生労働省もその能力を認めるところであり、医療安全の推進に寄与する重要な役割を担っていると言えるでしょう。

厚生労働省通知の抜粋画像

薬生発1731第7号 平成29年7月31日 厚生労働省医薬・生活衛生局長 通達

「再製造単回使用医療機器に係る医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則の改正等について」

4.単回使用の医療機器の製造業について (2)の文章です。

 身の引き締まる思いです。

 医療機器学会は、2015年に「医療現場における滅菌保証のガイドライン」を発行しています。

その後、ISOやQMS省令の改訂などを経て、学科講習のテキストの内容も改訂されています。

2021年には新たなガイドラインが策定される予定なので、その後の学科試験は更に講習内容が改訂されるものと思われます。

 ガイドラインの基本的な部分は変わりませんが、勧告の内容が詳しく多岐に渡り、これまで触れられていなかった基準が追加される、既存の基準が厳しく見直されるなどの変化があるのではないでしょうか。 

 新しいガイドラインには、是非「歯科」についても具体的に触れて欲しいという思いがありますが、2021年の改訂には間に合わないかもしれません。

「医療」という言葉には、「医科」だけでなく「歯科」も含まれています。

歯科医療における「洗浄・滅菌」の情報不足を補う役割を果たして欲しいと、切に願っております。

 歯科領域での個人的な活動も、徐々に始めております。

 おわりに

 詳しい情報がなく、何も知らずに学科講習と試験に臨みましたが、見事に撃沈。

無謀なチャレンジでした。

翌年、勉強し直して再チャレンジし、何とか合格できました。不合格だった1回目は200番台で最後尾でしたが、この時の受講番号は一番乗りの「001」です。

学会ホームページの学科講習開催決定のお知らせを見て、気合を入れて申し込みました。

 個人的なブログですが、試験の雰囲気がわかると思いますので、興味のある方はご覧ください。

(まだSSL化に対応していないサイトなのでリンクはしません)

「第1種滅菌技師の資格に挑戦」 *保護されていない通信です

http://heartsmilelove.blog.jp/archives/71366955.html

「第1種滅菌技師への道」 *保護されていない通信です

http://heartsmilelove.blog.jp/archives/73941445.html

 

第1種滅菌技師のみなさんの、更なるご活躍を願っております。

共に頑張りませんか。

 

画像は、日本医療機器学会のホームページからお借りしました。